スノーボード、スケートボード、サーフィンのプロショップ SIDECAR

既に毎年恒例となっている、白馬でのバックカントリーツアーの2005年の第1弾が1月15〜16日で行われ、このシーズンは雪の降り始めが例年より大変遅く、ツアー開催時の1月中旬でも積雪量はいつものシーズンより、約50〜70CM程少ない状況での開催でした。
ガイドには毎年お世話になっている、白馬のカラースポーツより広田勇介くんとSIDECARのライダーでもある鈴村アラタに2日間ガイドをお世話になり、SIDECARのスタッフとしては新美育穂(僕)が同行した。初めてバックカントリーに参加するかたも数名いて、ビーコンの付け方から、使い方、バックカントリーの心構え、生えている木の種類など、いつもためになる話に冗談も交えながらガイドがスタートする。勇介くんにはここ数年何度もお世話になっていて、ここ数年はプライベートでカメラ持って山に入り、いろいろなRIDERの写真を撮り続けていて、その中の写真にはアラタも数多く収められている。その写真が2004年に発売されたSNOWSTYLEの別冊「FREERIDE」に勇介クンの記事とともに掲載されたのも記憶に新しい。

1日目の天候は曇り、下ではガスがかかっていたが、山頂のこの辺りは雲海となり、雲が下に見える。いつも見てもこの白馬の景色はすばらしく、特にバックカントリーで眺める景色はまたゲレンデとは違い、本当の山を眺める事ができる。
この日は天狗原から自然園〜SIDECAR沢へと下るコース。山頂までは行かずに中腹より横の沢を滑り降りる。このコースは毎年お世話になっているが、今回初参加の方々もいて滑り出しから滑る斜面が見えないこのコース、みんな1本目という事もありやや緊張気味。最初にアラタがコースチェックをし、無線で連絡が入る。
「ちょっとクラック(雪の裂け目)があるから慎重に!」なんか言葉が。え〜。1本目からそんな事言われてもって感じですよね?週の頭から降り続いた大雪が、風によってズレて、色々な場所にクラックができていた。このクラックに1日目はみんな手を焼いていた様で、しかしそこはカラースポーツのガイド、そんな事では終わらせません。下のSIDECAR沢(毎年SIDECARのツアーでこの沢に行く為この名がついたらしい)もクラックが多かったが、瞬時にコースの変更をし楽しめる場所へ、、。

1日目の晩は白馬で毎年行われている祈願祭と言う音楽イベントにTOSLINKが参加する事になっていた為、ツアー終了後急いでリハーサルへ、このTOSLINKというのは、2004年から始めた僕ともう一人誠一郎という友達の打ち込みのLIVEユニット。毎年白馬でも一番盛り上がっているこのイベントに、友達の誘いで出演したが相変わらず凄い熱気!盛り上がり方も半端じゃない!景品や中でのイベントも超盛り上がってました。また皆さんも是非行ってみては?

2日目の天候は曇り時々雪、この日は栂池、天狗原を目指し行動を開始。前日の晩にから降り続いた雪によりまっさらな、足跡一つない林道を僕たちが1番乗りでトレースをつけていく。麓ではかなり湿った雪が昨日の晩には降っていたが、ここは山頂、高度もあるだけに、雪はドライで軽い。林道はそんなに雪も深くなく、早稲田小屋に到着。ここで小休止をし、鵯峰の山頂を再度目指す。林道とは違った斜度のあるハイクアップに、更には膝、モモ位のラッセルがなかなかきついが、そこはSIDECARの仲間だけのツアーという事もあり、冗談を言ったり、参加者の中の名古屋のTEAM「G.C.」のメンツは絶えず若い女子の話題が絶えず、和気あいあいと話をしながら進む。今回参加して頂いたお客さんは男ばかりの人数が12人で交代して進んでいくが、早稲田小屋から約1時間をかけて山頂に到着。
そこで大休止を取った後に1人ずつドロップを開始する。この準備の時間が何とも言えないのはご承知の通り、バックパックから担いで来たボードを外し、スノーシューとポールを付け替え、ゴーグルを付ける。はやる気持ちを押さえて自分の番を待つ、この鵯はツリーランだが適度な間隔のツリーと気持ちよい斜度が広がる広大な斜面。12人が滑ってもまだまだノートラックの部分はまだまだある。一人ドロップして下のフラットな部分に出てくるのが確認出来る。無線でコンディションは最高でーす。と聞こえる。いやでもみんなの気持ちか高ぶりテンションは一気最高潮へ!昨日は少しテクニカルだっただけに、今日のこの1本はみんな期待が高まる。 1人ずつ思い思いの場所へドロップし、自分だけのラインを斜面に刻んで行く。そして滑り終わって振り返ると、自分の滑ったラインがそこにある。あそこであそこのあのターンは最高だった、あの壁のあそこにオレは当てたぜ〜。なんて下では自慢会が始まる。みんな下に集まったときのあの笑顔は忘れる事が出来ませんね。この後その斜面をもう1本おかわりしに行ったのは言うまでもありませんね。
最高の仲間と最高の場所で、最高のときを味わえた事を感謝し、さらにはいつも安全且つ最高の場所にガイドしてもらっているユウスケくん、アラタほんとうにありがとう!

数年前まで山登りにあまり興味がなかった僕が、最近はおじ様、おば樣方の山登りの気持ちがやっとわかった。いつも町のコンクリートの中で時間に追われ仕事をし、今まで感じていなかったなにかストレスを感じるようになる。しかし!この山ではそんな物はいっさい関係ない。ゲレンデから離れた静かな山の中、風の音や静まり返った林の中の小さな音で、自然の中に帰る自分がいる。まっさらなノートラックな斜面を見ると背筋がぞくっとするのは、パウダージャンキーの証拠なのだろう。

お客さんもここ数年山に入る人は続々と増えている。ゲレンデで一通り遊び、パークなども楽しんだが何か物足りなくなり、バックカントリーを始める。年齢層も幅広く20代後半から40代まで、そんな中からお客さんの中でもパウダージャンキーは確実に増えている。みなさんも生涯スポーツとしてスノーボードを楽しみましょう!

TEXT BY IKUHO NIIMI

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